ハネムーンに400日!? BBCも取り上げた日本人夫婦の仰天新婚生活

先日Yahooニュースで非常に興味深いニュースを目にしました。

世界一周の新婚旅行をしながらドローンで映像を撮影しているご夫婦について書かれた記事ですが、以前テレビでお二人のことを見たことがあります。

この記事はセミリタイアを目指す人にとって大きなヒントが得られると思ったのでシェアしておきますね。

Yahooニュースの記事をリンクしてもよかったんですが、時間が経つとリンク切れになる可能性があるので内容をコピーさせて頂きました。

少し長くなりますが、是非最後までご覧になって下さい。

「一生分の夫婦の話題づくりをしよう」そんな一言から、ある夫婦の壮大な旅路が始まった。夫の名は山口千貴(27)、妻の名は山口真理子(35)。

2015年7月7日、関西国際空港から飛び立った2人は400日をかけて地球を一周、48か国を巡った。

2人は自分たちのことを「ハネムーントラベラー」と呼ぶ。

400日間の世界一周旅行は彼らにとっての新婚旅行だったのだ。

新婚旅行で世界一周というのもユニークだが、彼らの旅にはもうひとつ独特な試みがあった。

行く先々でドローンを飛ばし、世界各地の名所の空撮映像をSNSで公開していたのだ。

これをイギリスの国営テレビ局 BBCが報じたことによって、2人はいちやく有名人になった。

千貴さんがネット上にアップした一連の動画の合計再生数はいまや1000万回を超えるという。

400日間もの旅路は夫婦に何をもたらしたのか、そして夫婦を旅にいざなったものは何だったのか。

2016年8月末に日本に戻り、新たな生活を営み始めた2人に話を聞いた。

● 2人が世界一周にかけた想い

世界一周を提案したのは夫の千貴さん。

当時の心境を尋ねるとこんな回答が返ってきた。

「2人が老後まで語り合えるような、一生分の思い出をつくりたかった。僕は、学生の頃からバックパックを背負って旅をするのが好きだったんです。ユーラシア大陸を横断したり、アフリカ大陸を縦断したり。2人で同じような体験ができたらいいな。という強い思いがありました。」

400日間もの世界旅行は、言うまでもなく大事業だ。

お金を貯める必要がある。

人によっては仕事を辞める必要もあるだろう。

また、日本の社会でそれほど長い期間、キャリアや実生活に穴を空けてしまうことは、将来の不安にもつながるはずだ。

だが、千貴さんの境遇はある意味で恵まれていた。

ネット回線とPCさえあればどこでも仕事ができるプログラマーという職業柄、退職することなく旅行をスタートでき、その間もキャリアを継続できた。

会社の理解があったことも大きい。

しかし、スイミングスクールに勤めていた真理子さんは退職をしている。

その時、何を思ったのか。

「最初、夫から世界一周を提案されたときは驚きました。でも不安はあまりなかった。確かに、10年以上続けてきた大好きな仕事を辞めなければならなかったのは寂しかったです。でも自分が一生その仕事を続ける姿をイメージできなかった。良い転機だったと思っています」

現代の若者らしい、柔軟な価値観だが、旅にかける彼らの想いは決して軽いものではなかった。

旅行の予算は500万円。

家賃3万円のアパートに暮らし、徹底した節約生活を送って、2年間でこの大金を貯めた。

その間、「旅を無事に終えられるかどうかの不安もありつつ、楽しみが膨らんでいきました」と真理子さんは振り返る。

そんな彼らの旅を彩ったのが、ドローンによる空撮だ。

いまや旅人が自身の写真や動画をとり、SNSに投稿する行為は珍しくないが、これほど大掛かりなガジェットを使うケースはなかなか稀有。

一体なぜドローンだったのか。

千貴さん曰く、それは「たまたまだった」という。

「もともと考えていたのは、2人が一緒に並んだ写真をいっぱい撮ろうということ。世界の観光地の写真は綺麗なものがネット上にいっぱいあります。でも2人の写真は僕たちにしか撮れないから、自分たちのために残したかった。でも旅行が近づいたある日、YouTubeですごく格好いいドローンの空撮映像を観たんです。それで、2人の記念撮影とドローンを組み合わせたいと思いました」

いまYouTubeに「ハネムーントラベラー」と打ち込むと、千貴さんと真理子さんが撮影した数多くの映像を視聴できる。

映像の始まりは、どれも仲睦まじく並ぶ2人の姿から。

ドローンが空高く上昇するにつれて2人は小さくなり、やがて息をのむような絶景があらわになる。

千貴さんは「正直なところ、行く先々で撮影した映像をネットに投稿していればバズるかなー、なんて気持ちもありましたけど、BBCにとりあげられて、世界中の人に見ていただけるなんて想定外」

とはにかむ。

● 2人が旅から得たものは?

ドローンを持参したことで、確かに2人の旅はより実りあるものになった。

例えば、通常の視点では気付けない風景を知ることができたと真理子さんはいう。

「ラオスのルアンパバーンという都市でドローンを飛ばした時のこと。ここはメコン川とカーン川が合流するエリアなのですが、上空から見ると、ふたつの川の水の色がぜんぜん違うのです。些細なことですけど、すごく得した気分。またドバイの人工島パームジュメイラを空撮したときのことも忘れられません。パームとはヤシの木のこと。この島はヤシの木の形をしていることで知られているのですが、自分の目でそれを確認することができました。上空から見ないとわからないことって、意外とあるんだなと気付けたんです」

また、ドローンを通じて、地元の人々と交流を深められたことも貴重な体験だった。

ドローンの映像には、さまざまな人々に囲まれる2人の笑顔が映っている。

千貴さんは「地域によってはドローンを見るのも初めてという人もいて、撮影していると珍しがってくれました。ドローンのコントローラーには空撮している映像をリアルタイムで確認できるディスプレイがついているのですが、『自分たちが住んでいる場所を初めて空から見た!』と喜んでくれたんです」と語る。

そして、ドローンを使った一連の経験は、千貴さんに新たなキャリアを提示している。

BBCにとりあげられて以来、世界中から映像作家としての仕事のオファーが舞い込むようになった。

ニューカレドニア、タイ、南極、日本国内と、最近の仕事だけでも多岐に渡る地域を股にかけている。

記者が取材した当日も、「明後日からまた海外に出発です」ととても忙しそうだった。

けれど、彼らの400日間がくれた本当に大切なものは、別のところにあるのかもしれない。

真理子さんの話が印象的だ。

「新婚旅行から帰って、日常の見え方が変わりました。旅行中、楽しいことは多かったけれど、不自由なことも多かった。日本では蛇口を捻ればお湯が出てくるし、人種差別に出くわすことも少ないし、便器にトイレットペーパーを流せるし、交通ルールもきちんと決められている。こういうことって、本当にありがたく、恵まれていることなのだと気付けました。そして夫との関係性にも大切な変化が。もともと私たちはとても仲がいいと思っていた。でも、旅を経て、ずっと絆が深まったと感じています。旅行中の大変なことを一緒に解決していくうちに、『これから待ち受けている困難も2人ならきっと乗り越えられる』という自信がついたのです」

2人の400日間の旅は終わりを告げたが、もうひとつの旅は今も続く。

400日など比較にならないほど長きにわたる、人生という名の旅路だ。

そこで彼らが何を得るのか、その前途を祝したい。

(Yahooニュース 2017年1月6日の記事より)

 

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